平成21年「当院における基準嗅力検査の検討」、平成23年「鼻アレルギーにおけるティートゥリー(アロマセラピー)の有用性」に続いて14年ぶりに鹿児島県地方部会で発表しました。演題名は「新型コロナ後遺症に対する嗅覚刺激療法」で、昨年のアロマセラピー学会一般演題(Sweet Smell 2024年12・1月号参照)の内容に一部追加しました。
嗅覚刺激療法が奏功するメカニズムとして、外界からの刺激に対してニューロンが機能的・構造的変化を起こすことで長時間維持される“可塑性”が働くこと、嗅細胞の再生促進や嗅球の体積増大の報告もあること、既に感冒後、外傷性、パーキンソン病、加齢性にて症状改善が実証されているのでコロナ感染症にも効果が期待できること、などを話しました。
質疑応答でどのくらいの期間フォローしているかとの質問に対して、半年以上と少し長めに答えました。
続く静脈性嗅覚検査でスケールアウトの患者でも回復の見込みはあるのかという質問に対して、アリナミン検査は滞留、温度の点で嗅覚の至適条件を満たすために予後の指標になっているが、所詮、種類数はにんにく1種類なので、何百万とあるにおい物質を少しでも感じとれるようになる可能性は大いにある、そしてそのためにもレトロネーザルで嗅覚トレーニングするのもより効果的な方法であると返答しました。
3つ目の嗅覚トレーニングキット(バラ、レモン、ユーカリ、クローブ)は使用しているかとの質問に対しては、値段が高い、この嗅素でしか治らないとの思い込みより強固に購入を希望したがる、安心しきって他の匂いを嗅ごうとしない、キットに対して不信感を抱いたり、すぐに飽きてしまう、などの理由で当院では積極的には勧めてはいないと返答しました。その代わりに日常のにおいアンケートを嗅覚リハビリテーションの題材として用いているのですが、もちろん全員、同じ条件(濃度、回数、施行期間など)での実施は不可能なので治療結果のstudyとしては成り立たないことは、致し方ないと感じています。
久留米市内の洋風居酒屋で行われ75人も参加しました。同級生が7名も教授になっていますが、よく言われることですが、学生時代は皆、かなり優秀という訳ではなかったと思います(笑)。しかし他のメンツもさすがに市中病院の部長や医師会会長クラスになっていました。
中学・高校・大学での同窓会あるあるは
@若い頃よりも今の方が会う機会が多い
Aさほど学生時代会話したことのない人ともなぜか話し込んでしまう
B名前を聞いても「こんな人いたっけ?」という方がやはり今でも数人は存在する、でしょうか。
本年度より理事と同時に九州地方会会長にも就任しました。そこで来年福岡での学術総会を打診され、1か月間奔走しました。残念ながら諸事情にて開催は困難と判断しましたが、学会運営事務局の専門会社を訪問しオンデマンド配信のカラクリを聞けたのは収穫でした。
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