第74回 平成30年9月13日(木)19:00〜21:00
漢方とアロマセラピー(参加者72名)
マナーハウス島津重富荘ピュール(院外)
年1回恒例の食事会セミナーで場所は島津家の武家屋敷を改装したレストランです。大河ドラマ西郷どんが放送されている今年はまさにタイムリーな会場と言えるでしょう。家内の参加された皆様方への御礼を兼ねた乾杯挨拶で幕を開けました。近年の参加者増加に伴い、今年も来場者の氏名、職種、資格等を席次表として各テーブルに配布しました。
▼堀之内夕子先生
莵道竈門主宰の堀之内夕子先生に「香と日本人(薩摩)」の演題でご講演頂きました。堀之内先生は2006年資生堂エステティックアカデミーを卒業後、同年、資生堂プロフェッショナル株式会社カリタ部門(現在のロレアル)に入社されました。退社後は家元如月香未氏に師事し、美創香家香司となられました。2015年からは莵道竈門主宰として美活のプロとして活動されており、現在は純心高校講師、地方行政講師の他、各種企業とタイアップしてのコンサルタントや執筆活動など活躍の場を広げられています。スライドで白檀、沈香などの香木を示しながら、これらの効能や手にいれることがどれほど大変かというエピソードや、最近の六本木でのイベントを報告されました。また最初に香木を伝えたのは坊津に上陸した鑑真だとか、徳川家康や織田信長も香木を焚いていたことなども教わりました。彼らはアロマセラピストのレジェンドなのかもしれません(笑)。これからも和の香りのスペシャリストとして鹿児島からの情報発信にご精進頂ければと思います。
▼内薗明裕先生
続いてせんだい耳鼻咽喉科(さつま川内市)の内薗明裕先生は「漢方とアロマセラピー」とのタイトルで御講演頂きました。桂皮(シナモン)とはクスノキの樹皮をまたはそれから外側の樹皮を剥離したもので、香り成分はケイアルデヒド、効用として発汗解表、駆虫作用などがあること、「香」と名がつくものには気剤が多く、木香、茴香、麝香などがあること、体質分類によるアロマセラピーとして、気虚(疲れやすい、落ち込みやすい)にはスイートオレンジやパルマローザ、気滞(イライラしやすい、怒りっぽい)にはラベンダーやベルガモットを、血虚(青白い、髪がぱさつき皮膚はカサカサ)にはレモンやブラックペッパー、イランイランなどが適していることなどを学びました。最後に化学物質過敏症に対するアロマセラピーの可能性も示唆されましたが、さすがに問題点も多くハードルは高いのではと思いました。
▼安納芋と桂皮のスープ
恒例の「匂いと香りのクイズ」の問題は、安納芋とヨーグルトとの冷製スープに加えてある素材でした。客席からは圧倒的にシナモンとの返答が多く、他はターメリック、クミン、ガラムマサラなどが少数でした。真っ先に手をあげて“桂皮”と答えた森さんが優勝でした。
▼匂いと香りのクイズ
その後はシナモンと答えた大勢の方々と準優勝賞品のコンフィチュール5個をかけてのジャンケン大会となりました。後半からはボタニカルファクトリー社の即席販売会が開かれ、私も早速頂いたシャンプー、リンスを使っています。ユーカリのようなハーバルな香りです。最後はもりやま耳鼻咽喉科の森山一郎先生から来年のテーマとして「音楽と匂い」の企画提示を頂き終了としました。また1年間企画の構想が楽しみです。