過去最多の51人に御参加頂きました。今回はメニュー表の左側に各々のメニューに使われたハーブの代表的な論文を印刷して頂きました(写真参照)。以下に示します。
メニューと文献
季節の野菜のテリーヌと魚介類のサラダ仕立て ハーブの香り
- イタリアンパセリ
- 「西洋ハーブの機能解明:パセリのエストロゲン活性成分」卵巣摘出マウスに経口投与したところ、子宮重量の回復傾向が見られた。
下田博司 京都薬科大学生理学教室 AROMA RESEARCH No.2
- セルフィーユ
- 別名:チャービル、茴香芹。パセリに類似。消化促進、血圧低下に効果あり。
Wikipedia
赤ピーマンのムース
- バジル
- 香り五択(バジル、シソ、ミント、レモングラス、セロリ)クイズを行い、半分ほどの方が正解でした。
じゃが芋のクリームスープ
- シブレット(チャイブ)
- 「秩父地方で栽培した芳香性ハーブの溶媒抽出物の揮発成分」
ネギ科特有のアリシン系硫黄化合物の香りであるが、今回は揮発成分は検出されず。
井上重治 帝京大学医真菌研究センター AROMA RESEARCH No.14
タスマニア産 サーモンの燻製のエスカロップ
- ディル
- セリ科。香り成分は40%がd-カルボン(ケトン類)で他にリモネンなど。
三上杏平 NARDケモタイプ精油事典
レモングラスのグラニテ
- レモングラス
- 「ハーブの血液流動性に対する影響」
添加前と添加後の全血通過時間の差における改善率が16.5と著明な改善が得られた。
山本直人 長谷川香料技術研究所 AROMA RESEARCH No.14
ひなもりポークのロースト ローズマリー
- ローズマリー
- 「精油芳香の嗜好が作業能率に与える影響」
中山洋 東京電機大学理工学研究科 日本アロマセラピー学会誌2012.Vol11.No1
ラベンダーの香りのクリームブリュレとグラスショコラ添え
- ラベンダー
- 「真正ラベンダー精油を用いたアロママッサージのリラクセーション効果」
酒井康子 日本アロマセラピー学会認定保健師 日本アロマセラピー学会誌2011.Vol10.No1
上記論文のコピーを各数十部ずつ用意し、またハーブに関する書籍やウエストコム社提供でのハーブ商品(写真)を陳列しました。
官能表現クイズ

ペルノー(フェンネル、アニス、ニガヨモギなど十数種類ものハーブから成るリキュール:写真)を嗅いで、自分の感じるニオイを全員に形容詞や比喩的に表現してもらいました。
病院の薬品臭、フェノール臭、アリナミン臭、殺虫剤、おばあちゃん家のにおい、ラ・フランス、雨上がりの化学工場、時間がたつにつれ苦味が甘味へ変化、バジル、モンダミンなどの声が挙がる中で、ソムリエより最も適した表現として"歯磨き粉のニオイ"が選ばれました。
このようにニオイの感じ方は千差万別であり、個々の好き嫌いもかなり反映されるため、万人において統一された見解が得られにくく、そのことが嗅覚・アロマセラピーの臨床的発展の妨げになっていると言えます。これが今回の香りクイズを設けた意図です。
熊本総会予告
最後に来年のアロマセラピー学会総会(熊本)予告として、「芋焼酎とアロマ」「脱法ハーブ」「匂いと香りの図書館」に続いて、市民公開講座の講師に元フジテレビアナウンサーで現在はアロマセラピストとして活躍中の大橋マキさんが内定した事を発表しました。