第41回 平成25年1月10日 14:00〜16:00
匂いと香りの図書室 part1


▼書籍展示

書籍展示

▼岩下弘美先生(あすなろ薬局)

岩下弘美先生(あすなろ薬局)

▼瀬戸口智子先生(大口酒造)

瀬戸口智子先生(大口酒造)


■■ 匂いと香りの図書室 ■■

情報共有し新たな知識の糧とすることを目的とした第16回アロマセラピー学会熊本総会の特別企画の一環。
以下に今回セミナーに御出席頂き、推薦書籍をご提示頂いた先生名、書籍名、推薦理由を記します。

岩下弘美先生(あすなろ薬局)

「スピリットとアロマテラピー」
ガブリエル・モージェイ著/前田久仁子訳/フレグランスジャーナル社
スピリット(Spirit)には、「精神、意識、魂、霊性」など多様な訳がありますが、本書はアロマテラピーの基礎理論から始まり、 精油の特性(効用とエネルギーの性質)から、アロマセラピーと心理学とを関連付け、心と身体と氣の調和に生かすことを目的としています。
またジャスミンは豊穣の女神イシス、ペパーミントは天空の神ゼウス、スパイクナードは阿弥陀仏というような比喩的表現や、うつ状態など否定的思考傾向にある時の東洋医学(陰陽・五行説)の視点に基づいての対処法、精油選択なども特徴的です。
「香りの魔法 14宿星とアロマが導く今日のわたし」
ケミリーむつ美著/BABジャパン
ケミリー家は、チュニジアの香料商で、7世紀ごろから宗教儀式に欠かせない香料を取り扱っていました。
香料となる芳香植物を栽培するために使っていた独自の暦が「14宿星」で人と自然が同調して生きるための"暮らしと香りのカレンダー"です。すなわち「星の持つ力がその時期に栽培あるいは収穫される芳香植物の力と同調する」という考え方です。
7月7日生まれの江川先生をこの14宿星で見てみると、アッ・ディラーが天にある時で、宿香(幸運の香り)はレモン。星の性格(幸運のキーワード)は実行。やりたいことを口にすると、願いが叶いやすいとのことです。
ちなみに私自身はペパーミント。活動的に失敗を恐れずに行動することで、いつも生き生きとしています。
この本には、目次がありません。1日の始まりに本書を手に取り、今日1日のことを思い浮かべながら本書をパッと開きます。そこに今日のあなたを占う14宿星の言葉と、今日1日をハッピーにするための香りが書かれています。

川畑真喜子先生(レイライン)

「クリニカル・アロマテラピー よりよい看護を目指して」
ジェーン・バックル著/今西二郎訳/フレグランスジャーナル社
筆者のジェーン・バックル氏は看護師であり、病院内での臨床アロマの第1人者です。
この本にはアロマセラピーの臨床的使用から禁忌、実際に起きた事象なども記載しており、アロマセラピーには実践的な本です。
「アロマテラピーを学ぶためのやさしい精油化学」
E・ジョイ・ボウルズ著/熊谷千津訳/フレグランスジャーナル社
アロマセラピーを学ぶ上で必ず出てくるのが精油化学。この本は判りやすく記載してあるので理解しやすいです。
また似たような性質をもつ精油同士がまとめて書いてあるので、使用したい精油が使えない時などその代用となる精油も簡単に見つけられます。

瀬戸口智子先生(大口酒造)

生物工学会誌「酒類の香気成分研究の新展開〜お酒の香りの基礎から最新研究まで〜」
神渡 巧 大口酒造(株)
清酒・芋焼酎・ワインについて、重要な香気成分やその香りが強調される製造方法の解説が主。
お酒に興味のある方にお勧めします。
FFIジャーナル「サツマイモが関与する芋焼酎の香り」
神渡 巧 大口酒造(株)
マスカットやライチの香りがする芋焼酎って想像できますか? もちろん芋焼酎ですから無添加です。
まさに目から鱗の内容で、読んだ後には芋焼酎に対する見方が変わります。

川路美穂先生(月桃)

「プロフェッショナルのためのアロマテラピー」
シャーリー・プライス著/川口健夫訳/フレグランスジャーナル社
川路先生には上記の本を薦めて頂きました。医療及び看護面でアロマテラピーを適用する際、実践するレベルと方向性を把握するためのガイドブックです(江)

森山一郎先生(森山耳鼻咽喉科)

茶の涙〜Larmes de the'〜
水面かえる/エデンコミックス
最新処方で体質改善 漢方使いこなし術
花輪壽彦/小学館
源氏物語の論
秋山虔/笠間書院
新訂字訓
白川静/平凡社
源氏物語評釈第九巻
玉川琢弥/角川書店
森山先生は読書家だけあって、多彩でディープな書籍が並びました。私は古文、歴史が苦手なのですが、上記の本は1冊でも読破してみたいです。
「茶の涙」は業界初の"日本茶漫画"で感動的なストーリーとのことです。しかし現在のところ、手に入りません。(江)

■■ 第1回国際アロマセラピー会議(H24 8/31〜9/1京都) ■■

Oral Presentation

Aromatherapy in Korea
Hongkeun OH / Cha university, Korea
韓国の耳鼻咽喉科では、鼻アレルギー、副鼻腔炎に対してキシロカインスプレーに精油を加えて鼻腔に噴霧したり、 中耳炎に対して綿球に精油を浸して鼓膜表面に留置したりしている。
韓国アロマセラピー学会は97年に創立され、会員3000人ほどでほとんどが医師で、 他には禁煙アロマ、ダイエットアロマなどもあるそうです。 しかし上記の件は目的・方法とも確認不十分なのですが、前者は麻酔薬と精油を混ぜることによる配合変化、薬剤安定性の問題、 後者は鼓膜と精油とが接着することによる炎症、鼓膜穿孔の危険性などが懸念されるのではと感じました。
Making a Difference in Cancer and Palliative care: A Spotlight on Key Interventions and Essential Oils in Cancer and Palliative Care Settings
Rhiannon HARRIS / Essential Oil Resource Consultants, France
化学療法の副作用対策として口腔乾燥にはレモン1ml、シトラス1ml、アップルジュース10ml、 アルコールまたはハニー5mlでの含嗽が、また嘔吐にはシトラスレモンとジンジャーが用いられている。
他に含嗽としてはスペアミント、ティートリー、ペパーミント、タイム、クローブのブレンドを1日3回勧めているそうです。 また本邦ではマヌカハニーが同様に広く用いられています。
The Utility of Hyperthermia Using Tea Tree Oil for Allergic Rhinitis in Pregnant and Lactating Women
Masahiko Egawa / Egawa ear, nose, and throat clinic
妊婦・授乳婦の鼻アレルギーに対してティートリーを用いた蒸気吸入は精製水よりも改善を認めた。
国際学会は約15年ぶりでした。 こういう学会の時こそ、展示ブースなどで実際に試して頂く機会があればいいのではと思うのですが・・。

■■ 佐多岬レモングラスハーブティー 自己紹介 ■■

前回セミナーの食事会では飲めなかったので、その時に商品紹介頂いたウエストコムに依頼して提供頂きました。6月に第44回セミナーとして農場・工場を見学する予定です。