第50回記念 平成26年6月19日 19:00〜21:30
認知症と香り(参加者96名)
マナーハウス島津重富荘 ピュール(院外)
今年の2月にTVの某番組で認知症の患者に対するアロマセラピーが、ある一定の改善を得たと放送されて以来、かなりの世間的反響が(全国のアロマショップにおいて後述4種の精油が売り切れ続出)続いています。そこで今回は認知症と嗅覚障害・アロマセラピーというテーマとしました。
私の挨拶、谷川富夫先生の乾杯に続いて、グループ別自己紹介を行いました。参加者の職業や活動内容を互いに周知させるために、今回も各グループ代表者に熱心なスピーチを頂きました。
続いて家内より「認知症の基礎知識」、私より「認知症と嗅覚障害」「認知症とアロマセラピー」という演題にてスライド発表を行いました。認知症の初発症状として嗅覚障害が着目されており、その検査法として基準嗅力検査があり、これは検知域値と認知域値との差が2.0以上で認知症の可能性ありと判断されることを述べました。
またTV放送で話題沸騰となった、日本アロマセラピー学会理事である神保太樹先生が鳥取大学在局中に浦上克哉教授のもとで共同研究された、認知症患者に対するアロマセラピー(午前中にローズマリー&レモン、午後にラベンダー&オレンジの芳香浴)を神保先生より一部スライドをお借りして報告しました。
また今回は趣向を凝らし、全ての料理において上記4種のいずれかを料理の素材として用いたメニューとしました。
(こちら)
恒例の「匂いと香りのクイズ」は、うがい薬、カズマレン、エタノール、消毒液、ライム、ラム酒、湿布、アズレン、久光製薬のにおい、タナセタム、保健室の先生、子どもの頃父親に叱られた時のにおい、アニス、アベンシスミント、熟女のなんとか、使用後の包帯、歯磨き粉、焼酎、ハッカ、梅酒と何かを混ぜたような、無理に嗅がせたらS好んで嗅いだらM、など数多くの答えが飛び出しました。
使われたのはトロワ・リビエール・ブルーシトロンというリキュールで、色調は青みがかって、すっきり、さわやかな香りでソムリエの主観的判断によりライムと答えた福元弘和先生が優勝されました。いつもながら、たった1種類のにおいにこれだけ豊富で多岐にわたる反応というのはつくづく、嗅覚は奥深く神秘的な感覚であると思います。
最後に締めの挨拶を森山一郎先生にお願いしてお開きとしました。今回もまた内容、コストなどオーナーの清川ご夫妻には多大なるご配慮を頂きました。
かなり人数が多くなってきたのは嬉しい限りですが、自己紹介、演題発表、香りクイズは食事を取りながらの進行とは言え、各々30分近く時間がかかってしまいました。
これらは食事会セミナーにおける毎回の目玉であり、今まで続けてきたからこそ会の現在の繁栄があるという自負があります。とはいえ、来年以降も続けるには、形式・スタイルの再考の余地がありそうです。